先日も書いたとおり、日本は教育に使う公的資金はOECD諸国内では最小で、私的な財産で補う部分が大きいからです。しかし、経済力の差ばかりではないようです。
文部科学省が実施した、平成20年度全国学力・学習状況調査の追加分析結果によると、経済力の差もあるが「保護者の子どもへの接し方や教育意識」や「保護者の普段の行動」は子どもの学力と関係していると報告しています。
保護者の子どもへの接し方や教育意識高学力層ほど「あてはまる」という回答が多かった項目
「子どもが小さいころ、絵本の読み聞かせをした」「博物館や美術館に連れて行く」「毎日子どもに朝食を食べさせている」「子どもを決まった時間に寝かすようにしている」「ニュースや新聞記事について子どもと話す」「家には、本(マンガや雑誌を除く)がたくさんある」「テレビゲームで遊ぶ時間は限定している」「子どもが決まった時間に起きるようにしている」「子どもが英語や外国の文化に触れるよう意識している」「子どもにいろいろな体験の機会をつくるよう意識している」等
保護者の普段の行動
高学力層の保護者ほど「(よく)する」傾向がある項目
「本(雑誌や漫画を除く)を読む」「新聞の政治経済の欄を読む」「家で手作りのお菓子をつくる」「美術館や美術の展覧会へ行く」「政治経済や社会問題に関する情報をインターネットでチェックする」「学校での行事によく参加する」等これらの保護者の行動は、家庭が持っている文化をあらわすと考えられる。家庭の文化が学校文化により近いほど、子どもの学力も高いという傾向が読み取れる。
学力を伸ばすためには、「勉強しなさい!」といくら言っても学力は伸びず、むしろ親の生活態度や家庭環境が重要なウエイトを占めるという事ですね。
写真は「新国立美術館」です。