2010年02月09日

「洪水に弱い国」日本

CIMG2350.JPG2007年に発表されたIPCC(気候変動に関する政府間パネル)第4次評価報告書では、気候モデルを用いた研究によって、
(1) 100年に一度の豪雨の発生頻度が高まる
(2) ハリケーンや台風が大型化し高潮被害が増える
(3) 海面上昇によって沿岸地域の水災害の脆弱性が高まる

ことを示し、今世紀中で水災害のリスクが高まると結論づけられました。

「日本は70%が山地で居住に適さない。開発や居住空間に利用できる土地は、12000万人を超える人口から考えると非常に限定されている」として、日本の洪水への脆弱性が指摘されました。

日本の脆弱性は国際比較からも明らかで、洪水危険地域に住む人口を日米で比較すると、洪水時の河川水位より低い地域に住む人口の割合は、米国が約10%なのに対し、日本は約50%である。
国民の資産が受ける影響では、日本は約75%にも上るそうです。

国土交通省の「気候変動に適応した治水対策検討小委員会」が20085月にまとめた答申では、「堤防が決壊しても、都市機能を失わないような国土作りにシフトすべき」と提案しました。


ダムを議論する際にも、「決壊してもよい町作り」という新しい視点を加えて、今後の水行政の在り方を考えることが重要になってきています。

2010年02月09日 13:16 高田重信 | 活動報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする .